重症筋無⼒症(MG)に関連する病気
MGとは
重症筋無力症(MG)には、胸腺異常や甲状腺疾患など、MG 以外の⾃⼰免疫疾患が合併することがあります。
MGの合併症として、胸腺異常(胸腺腫、過形成胸腺)、自⼰免疫疾患が知られており、胸腺異常には手術が検討されます。
胸腺は、胸の真ん中の骨(胸骨)の裏側、心臓の前側にある臓器です。免疫の役割を担う臓器の一つで、子どものときは活発に機能しますが思春期以降は徐々に小さくなり、大人になると脂肪の一部のようになります。
胸腺異常はMGの発症に関連すると考えられており、胸腺異常を合併する患者さんには、胸腺を取り除く手術が検討されます。
胸腺腫は胸腺にできる腫瘍の一種です。胸腺腫を合併しているMG患者さんは貧血や円形脱毛、味覚障害などが生じることがあります。
通常より大きい胸腺を過形成胸腺といい、MG患者さんの過形成胸腺にはリンパ球(免疫を担う細胞)が多く含まれるのが特徴です。過形成胸腺では、MGの原因の一つである抗アセチルコリン受容体抗体が作られていると考えられています。
自己免疫疾患の合併は、MG患者さんの8~15%にみられます。なかでも多いのは、橋本病やバセドウ病などの甲状腺疾患、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどです1,2)。 2018年の全国疫学調査によると、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者さんにこれらの自己免疫疾患の合併がみられましたが、抗マスク抗体陽性の患者さんにはみられませんでした3)。
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