どんな検査があるの?
MGの診断・治療
症状などから重症筋無力症(MG)の疑いがある患者さんには、MGの確定診断のための、さまざまな検査が行われます。
MGの症状がある方には、
血液検査や末梢神経と筋肉の継ぎ目
(神経筋接合部)の
障害を調べる検査などを
行い、診断が確定されます。
抗アセチルコリン受容体抗体、抗マスク抗体の有無を調べます。
約1分間、上を見続けた後、眼瞼下垂(まぶたが下がる)が出現、または悪化するかを調べます。
冷凍したアイスパックを眼に当てた後、眼瞼下垂が改善するかどうかを調べます。
アセチルコリンの分解を防ぐはたらきがあるお薬を点滴で投与し、MGの症状が改善するかを調べます(アセチルコリンについては「なぜ、力が入りにくくなるの?」参照)。
鼻、背中、手などの筋肉を電気で繰り返し刺激し、刺激に対する反応を調べます。
おでこ、眼の周りなどの筋肉を動かしたときの電気的な変化を調べます。
このほか、合併症の検査として胸腺腫の有無を調べる画像検査[胸部X線検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像)検査、FDG-PET検査(腫瘍の性質を利用した検査)など]、MG以外の自己免疫疾患を調べるための血液検査を行います。
Column
胸腺腫の手術を受けたMG患者さんを対象に行われた国内の調査によると、MG患者さんが初診から診断を受けるまでにかかった期間は平均22.0ヵ月、この間に受診した病院の数は平均3.17施設でした1)。
また、初診でMGと診断された方は約2割、“MGの疑いあり”とされた方は約1割と少なく、初診での診断は難しい病気といえます。
診断に時間がかかった原因として、医師にMGと言及されない、経過中に症状が軽快し受診をやめる、症状が続き複数の施設を受診しているうちに長期経過してしまったなどがありました1)。 早期に診断され治療を受けるためには、症状を的確に伝え、適切な診療科を受診することが重要です。MGの症状に心あたりのある方は、神経内科の受診を検討してください。
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